※ 当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

IBMが楽天等をアメリカで提訴したニュース~第4特許(米国特許第7543234 号) のクレーム1

先日の記事の続きです。

第4特許(米国特許第7543234号)~1つ目のクレーム

米国特許第7543234号 のクレーム1

IBMが訴状で4番目に挙げている 米国特許第7543234号 のクレーム1(以下、米国クレーム1)は以下の通りです。

A method of generating a portal page, wherein the portal page includes a plurality of includes a plurality or portlets, the method comprising:

       determining whether a subset of portlets is stackable; and

       responsive to the subset of portlets being stackable, identifying two or more stacks of portlets that are stackable, and generating the portal page such that the two or more stacks of portlets are generated as a stack of stacks, wherein

       the stack of stacks presents a first stack of portlets and a control for selecting a second stack of portlets from within the two or more stacks of portlets that is not currently presented.(わかりにくい英文ですが下記の請求項1がIBMによる正しい和訳だとすると、that isはa second stack of portletsに係っているようです。)

 

対応する日本特許第4988729号の請求項1

米国クレーム1に対応すると思われる日本特許第4988729号の請求項1(以下、日本請求項1)を引用すると以下の通りで、実質的に米国クレーム1の内容と同じのようです。

 

【請求項1】

 複数のポートレットを含むポータル・ページを生成する方法であって、

(a)ポートレットのサブセットがスタック可能であるかどうかを判別するステップと、

(b)前記ポートレットのサブセットがスタック可能であることに応答して、スタック可能な2つまたはそれ以上のポートレットのスタックを識別し且つ前記2つまたはそれ以上のポートレットのスタックがスタックのスタックとして生成されるように前記ポータル・ページを生成するステップとを有し、

 前記スタックのスタックが、ポートレットの第1のスタックと、前記2つまたはそれ以上のポートレットのスタック内から現在提示されていない第2のスタックを選択するためのコントロールとを提示する、方法。

 

訴状でのIBMによるクレーム構成要素のあてはめ(クレーム1)

米国特許第7543234号のクレーム1の構成要素

対応するとIBMが主張している楽天のサービスなど

ポータル・ページ

楽天のモバイルアプリの店舗内(in-store)ページなど

複数のポートレット

前記店舗内ページ上に表示される各オファーなど

ポートレットのサブセットがスタック可能であるかどうかを判別する

楽天のモバイルアプリにおける個々の店舗内オファー(複数形)または食事(dining)オファー(複数形)などを整頓(organize)するなど

スタック可能な2つまたはそれ以上のポートレットのスタック

楽天のモバイルアプリにおける店舗内オファーまたは食事オファーのセット(複数形)など

ポートレットの第1のスタック

店舗内オファー(複数形)表示など

前記2つまたはそれ以上のポートレットのスタック内から現在提示されていない第2のスタックを選択するためのコントロール(と)を提示する

楽天のモバイルアプリにおける食事オファーまたは全てのオファーなどの、前記ユーザに現在提示されていない他のポートレットのスタック(複数形)を前記ユーザが選択するための選択肢を提供するなど

第4特許(米国特許第7543234号)~2つ目のクレーム

米国特許第7543234号 のクレーム4

IBMは訴状で、楽天等が米国特許第7543234号のクレーム4(以下、米国クレーム4)も侵害している、としています。米国クレーム4の内容はこちら↓です。

The method of claim 1, wherein determining whether the subset of portlets is stackable includes: obtaining a user's preference for stacking portlets by loading a user profile, wherein the subset of portlets is determined to be stackable based on the user's preference.

 

対応する日本特許第4988729号の請求項

米国クレーム4に対応すると思われる日本特許第4988729号の請求項4(以下、日本請求項4)の内容は以下の通り、実質的に米国クレーム4の内容と同じのようです。

 

【請求項4】

 前記判別するステップ(a)が、

 ユーザ・プロファイルをロードすることによって、ポートレットのスタッキングに関するユーザ・プリファレンスを取得するステップを含み、

 前記ユーザ・プリファレンスに基づいて、前記ポートレットのサブセットがスタック可能であることが判別される、請求項1に記載の方法。

 

訴状でのIBMによるクレーム構成要素のあてはめ(クレーム4)

米国特許第7543234号のクレーム4の構成要素

対応するとIBMが主張している楽天のサービスなど

obtaining a user’s preference for stacking portlets by loading a user profile(ユーザ・プロファイルをロードすることによって、ポートレットのスタッキングに関するユーザ・プリファレンスを取得する)

such as Rakuten obtaining user characteristics, e.g., recent purchases or recently visited stores(例えば、最近の購入品または最近アクセスした店舗などの、ユーザの特徴を楽天が取得することなど)

the sublet of portlets is determined to be stackable based on the user’s preference(ユーザ・プリファレンスに基づいて、前記ポートレットのサブセットがスタック可能であることが判別される)

such as using user characteristics to make recommendations to the user in the Rakuten mobile application(楽天のモバイルアプリにおいてユーザの特徴を使用して前記ユーザへの提案を行うことなど)


次回は訴状にある気になる表現について書きたいと思います。 

なお、今回の訴訟についてブログを書こうとしたのは、IBM楽天も多くの日本人が知っている企業であり、訴状の内容も教材としてちょうど良さそうであるためです。片方の企業に特に思い入れがあるわけではなく、できる限り客観的に読んでいきたいと思います。