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IBMが楽天等をアメリカで提訴したニュース~第3特許(米国特許第6785676 号) のクレーム14

先日の記事の続きです。

第3特許(米国特許第6785676号) のクレーム14

IBMが訴状で3番目に挙げている 米国特許第6785676号 のクレーム14(以下、米国クレーム14)は以下の通りです。

A method for annotating resource results obtained in a customer self service system that performs resource search and selection, said method comprising the steps of:

a) receiving a resource response set of results obtained in response to a current user query;
b) receiving a user context vector associated with said current user query, said user context vector comprising data associating an interaction state with said user and including context that is a function of the user;
c) applying an ordering and annotation function for mapping the user context vector with the resource response set to generate an annotated response set having one or more annotations, and,
d) controlling the presentation of the resource response set to the user according to said annotations, wherein the ordering and annotation function is executed interactively at the time of each user query

 

対応する日本特許第3671009号の請求項11

米国クレーム14に対応すると思われる日本特許第3671009号の請求項11(以下、日本請求項11)の内容を見てみましょう。

(なお、以下の別記事

ip-related-english-helper.hatenablog.com

で表にまとめたように、この対応日本特許は特許を維持するための年金の不納により2012年4月22日に権利が消滅しています。)

米国クレーム14にはない文言(追加箇所)には下線を、米国クレーム14にはあるものの日本請求項11には無い文言(削除箇所)には取り消し線を付けることで米国クレーム14との違いを示しています。なお、削除箇所は私が訳していますのでIBMの意図通りの和文とは限りません。

【請求項11】
 リソース検索および選択を実行する顧客セルフ・サービス・システム内で得られるリソース検索結果に注釈を付けるための方法であって、
 現行ユーザの照会に応答して得られた結果のリソース応答セット(35)を受け取るステップと、
 前記現行ユーザの照会に関連するユーザ・コンテキスト・ベクトル(25)を受け取るステップであって、前記ユーザ・コンテキスト・ベクトルが、前記システムとの対話状態を前記ユーザと関連付けるとともに前記ユーザの機能であるコンテキストを含むデータを含む、ステップと、
 前記ユーザ・コンテキスト・ベクトルを前記リソース応答セットにマッピングすることにより、前記ユーザへの前記リソースの提示を制御する1つまたは複数の注釈を有する注釈付き応答セット(38)を生成するための順序付けおよび注釈機能を適用するステップと、
 含み、前記生成するステップが、前記注釈に従って前記ユーザへの前記リソース応答セットの提示を制御するステップであって、前記順序付けおよび注釈機能は各ユーザ照会の時に対話式に実行されるステップとを含むことを特徴とする、リソース検索結果に注釈を付けるための方法。

 

訴状でのIBMによるクレーム構成要素のあてはめ

米国特許第6785676号のクレーム14の構成要素

対応するとIBMが主張している楽天等のサービスなど

結果のリソース応答セット

www.rakuten.com上の店舗のカテゴリーの検索結果一覧など 

現行ユーザの照会

ユーザによって提出された店舗の検索など

ユーザ・コンテキスト・ベクトル

特定ユーザに関連付けられたデータセットなど

前記現行ユーザの照会

楽天のウェブサイト上での前記ユーザによる現行の検索など

対話状態を前記ユーザと関連付けるデータ

ユーザに関連付けられた、ログプロセス、クッキー、位置特定データ、又は、その他の追跡データなど

前記ユーザの機能であるコンテキスト

もっともらしい、好み、特徴、行動様式、及び態度を分類するデータなど

前記ユーザ・コンテキスト・ベクトルを前記リソース応答セットにマッピングするための順序付けおよび注釈機能

店舗をランキングするための楽天アルゴリズムなど

1つまたは複数の注釈を有する注釈付き応答セット

「本日のおすすめ店舗」のように、検索結果に含ませる順位付けされた店舗セットなど

前記注釈に従って前記ユーザへの前記リソース応答セットの提示を制御する

楽天のウェブサイト上に、「本日のおすすめ店舗」のような検索結果を提示することなど

前記順序付けおよび注釈機能は各ユーザ照会の時に対話式に実行される

店舗を検索するユーザから要求を受け取るたびに、「本日のおすすめ店舗」のような検索結果内に提示される店舗のランキングをするための前記アルゴリズム楽天が実行することなど

 

 次回は訴状で4つ目に挙げられている米国特許について書きます。