本記事はパテントサロン管理人でいらっしゃいます大坪和久さん主催の「知財系 もっと Advent Calendar 2021」の12/9分の記事として投稿しています。内容は、先日ツイッターアカウントで実施した以下のアンケートに関するものです。
お忙しいところ恐縮ですが特許事務所の採用担当の方、下のアンケートにご協力いただけないでしょうか。求人に応募してきた人を採用できないと判断したときに不採用の連絡をその人にしていらっしゃいますか。(本ツイートを拡散していただけると嬉しいです。)
— さっちゃん (@PDbNFjzZBNGUOkk) 2021年11月14日
アンケートの結果
結果を見たいだけ、という方も含めて15アカウントからの反応をいただけました。お忙しい中、反応を入力してくださった方、本当にありがとうございました。投票数が少ないのは、フォロー数もフォロワー数もまだ少なく不活発な弱小アカウントがいきなり無謀にも実施したアンケートだったからだと思います。それでもリツイートしてくださった方々のおかげもあって、反応がいただけたことに喜びました。
上のツイートの通り
「特許事務所の採用担当の方、下のアンケートにご協力いただけないでしょうか。求人に応募してきた人を採用できないと判断したときに不採用の連絡をその人にしていらっしゃいますか。」
という設問に対し、結果は以下の通りとなりました。
結果(%) | 票数 | |
していない | 0.0% | 0 |
書類選考の段階でも必ずしている | 26.7% | 4 |
面談や試験など一定の段階まで進んだ人のみにしている | 6.7% | 1 |
アンケートへの回答だけ見たい | 66.7% | 10 |
合計 | 15 |
回答してくださった5アカウントが全て別々の事務所からの回答だと仮定すると、5つの事務所のうち、何の連絡もしていない、と回答した事務所はゼロでした。そして、その中でも書類選考の段階でも必ず連絡をしているという事務所が4つもあり、面談や試験など一定の段階まで進んだ人のみに連絡をしているという事務所が1つでした。
これは、求人に応募する自分にとっては大変有難く嬉しい結果です。
アンケートの結果について考えたこと
見ず知らずの謎のアカウントによるアンケートにお答えくださった方というのはそもそも非常に親切だと思うので、そこで既に相当偏りがあるアンケート結果であることは確かだと思います。
それでも以下のツイートの通り
フリーランス特許翻訳者の求人に対し(1)応募書類を送った/(2)問い合わせメールを送った/(3)トライアル解答を送った事務所((1)~(3)は互いに異なる)から返信が無いという経験からアンケートを思い付きました。弁理士でない人には連絡しない/繁忙期以外は連絡する、という回答もあり得るでしょうか。 https://t.co/WXKjJChWnm
— さっちゃん (@PDbNFjzZBNGUOkk) 2021年11月15日
求人応募に連続して失敗して少し凹んでいた私にとっては、希望の持てる結果となりました。私自身は、応募先による不採用の判断があれば、その旨をお知らせしてほしいと思っているからです。
ツイッターアカウントを利用している事務所の採用担当者にはマメで親切な方が多い、ということもこの結果が示唆しているような気が致します。
不採用の連絡をしない、というのが一般的によくあることなのかはわかりません。とはいえ、今年は初めて複数の翻訳会社さんを含む、いくつかの会社の求人にも応募をしてみたのですが、不採用のときでもいずれの会社も連絡をしてくださったので、不採用でも連絡をする、という対応は珍しいことではなさそうです。
もちろん自分にどこからも断られない圧倒的な実力とコミュニケーション能力があれば良いのでしょうが、なかなかそれは難しいことだと思います。
なお、「書類選考の段階でも必ず(連絡)している」と答えて下さった事務所は自分と考え方が合いそうですので、そういった事務所からの求人に出会えるように行動するのが良いのだろうなとも考えました。
おまけ
求人に関する話題なので、ついでに求人広告に含まれていたら嬉しいなと思う項目や事柄を好き勝手に挙げてみたいと思います。これらに該当するアピールポイントをお持ちの事務所は求人に掲載しても良いのではないでしょうか。結局どういう点を重視する人を求めるかによるのだとは思いますが。
(1)報酬の目安
「未経験者は年収〇〇万円~、経験者は年収〇〇万円~」という情報だけでもいいですし、「モデル年収:経験〇年で年収〇〇円」という事例の紹介だけでも参考になります。
外注翻訳者の募集であれば、もちろん「翻訳単価は原文1文字/ワードにつき最低〇円+税」とか「仕上がり訳文1文字/ワードにつき最低〇円+税」ということも記載されていれば助かります。「クライアントが見ているかもしれない求人広告にそんなことは書けない」というご意見もあるとは思いますが、せめて、応募書類の送付前に報酬の目安を教えていただける仕組みがあれば良いなと思います。
そのようなことを業界で当たり前にするためにも、自分も今後は報酬の目安は応募前にできるだけ確認するようにしたいと思います。
(2)写真が不要である旨の記載
履歴書の写真って必要なんでしょうか・・・。必要な段階でカメラとマイクを使ったウェブ面談など、何らかの面談を実施すれば良いように思います。顔重視ということなら仕方ないですけれどね。
(3)在宅勤務の可否
通勤必須業務に携わる方には手厚い通勤手当を支給する、という時代になりつつあるのかもしれません。
(4)出勤時のデスク環境
隣のデスクとの間隔とか、パーティションの有無とか、個別の固定電話の有無とか、気になります。
(5)勤務時間をずらすことができるか
(6)新型コロナウィルス対策
(3)~(5)もここに含まれますが、特に気になるのが換気の良し悪しです。換気が十分できるエアコンを使用しているとか、部屋の対角線上に窓があり常に換気をしているとか、そういうことです。
(7)トイレ環境
「同じフロアに清潔で快適な女性用トイレ個室3個、男性用トイレ個室3個、だれでもトイレ1個あり」などと書かれていたら嬉しいです。
(8)平均残業時間(裁量労働制でない場合)
(9)1か月以上の育休取得率や介護休暇取得率
「事務スタッフを含むスタッフのデータ:女性〇%、男性〇%」というようなことです。
(10)弁理士は自分で担当した国内出願に対応する外国出願の業務を担当しているか
これが普通でないと、日本語が理解し難い明細書が多い可能性がありそうです。
最後に
私の年齢で応募できる正社員の求人はもうたぶんほとんどないので、好き勝手に書いてしまいました。もっと若い他の方がどのような点を重視するか、というのもどんどん開示していくと業界の改善につながっていくかもしれませんね。
ちなみに以前勤めていた特許事務所の最近の求人広告を見てみたところ、上記の(2)および(7)~(9)以外については何らかの記載がありました。
最後までお読みいただきありがとうございました。引き続き知財系/知財系もっと/知財系もっともっとAdvent Calendar 2021も楽しみながら素敵なクリスマスシーズンをお過ごしください。