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未来日記(願望/妄想フィクション)を書きました

はじめに

本記事はパテントサロン管理人でいらっしゃいます大坪和久さん主催の「知財系 Advent Calendar 2023 - Adventar」の12/12分の記事として投稿しています。

今回は100%フィクションで、私の願望/妄想未来日記を書いてみました。できるだけリアルに妄想してみたつもりですが実際の実務とは異なるところも多々あると思います。例えば本当に通訳が同席しても良いかや誰がどう手配するかなどは知らないので、まさに願望を書いています。実際はこうだよ、などのコメントも大歓迎ですので、コメントやツイート(ポスト?)などもお寄せいただけると幸いです。

願望/妄想日記(四角に囲まれている箇所は全てフィクションです)

今回の通訳はとても緊張しましたが今は本当に嬉しくて達成感でいっぱいです。私が通訳者として関わらせていただいた米国出願(継続移行)に先日許可通知が発行されたのです。お客様も喜んで下さり、ぜひまた関連出願でも機会があればお願いします、と言っていただくことができました。

この出願は、ファイナルとされた二回目のオフィス・アクションが発行されてしまった件です。

お客様(中規模メーカー)は、一回目のオフィス・アクションに対し、補正を行わずに反論のみで応答したのですが、拒絶を覆すことができませんでした。このときの意見書の作成も私がお客様の日本語の指示書をもとに作成したのですが、何せ審査官がThe Most Difficult Examiners at the USPTO (2023)の上位に入っている人でしたし、すんなりとはいかないだろうとは予想していました。

担当日本特許事務所の弁理士である凄腕先生もこの出願の発明には明らかに特許性があり、補正はしなくても反論のみで拒絶は覆せるという見解をお持ちでした。ただ、米国代理人(特許弁護士)は「経験上、この審査官に対しては、面談を行うと許可率がグッと高くなるため、発明者様にも参加していただき、審査官との面談を実施した方が良い」というアドバイスをくれました。

お客様の予算が限られていましたし、発明者様もお忙しい方なので、わざわざアメリカまで行くことはできない、ということだったので、ウェブでの面談を実施することになりました。発明者様も凄腕先生も英語が全く話せないわけではないのですが、今回は内容に集中したいとのことで通訳を利用することになり、応答書の作成にも携わった私に通訳を依頼して下さったのです。実は、本出願の米国移行時の和英翻訳も私が担当させていただいたという経緯があります。

普段のオンライン通訳の仕事ではZoomを使うことが多いのですが、USPTOではMicrosoft Teams を使用することになっているので、まずはTeamsの使い方を復習し、本出願や引例やこれまでの経緯が分かる書類などの資料を読み直して予習を入念にしてから通訳に挑みました。もちろん、米国移行時の翻訳文を作成したときに参考にした発明者様の過去の論文も再度読んで、発明者様が使われている英語表現を頭に叩き込みました。凄腕先生も発明者様も大変親切で、私が自分で入手できない書類についてはお願いすると快く迅速に送って下さり、通訳準備は大変しやすかったです。

面談の途中でお客様の回線の通信状況が悪くなってお声が聴き取れないときがあり、あせりましたが、ビデオをオフにして下さった後からは、そのようなこともなく、無事に通訳を終えるとができたと思います。審査官もインド人っぽい名前でしたが、英語は訛りが全く無く聴き取りやすく、ゆっくりしゃべってくれたので、同時通訳でもなんとかなりました。審査官を含む出席者の皆様から通訳がわかりやすかったと言われたので安堵しました。

クレームの表現でわかりにくいところがあり、審査官はその内容を誤解していたのですが、発明者様の説明を聞いて理解が深まったとのことで、面談中に補正案を提示してきました。実は、この補正案、私が翻訳をしたときにお客様に提案したものと全く同じだったのです。当時お客様は和文の表現に近い訳を選ばれたため、その提案は採用されなかったという経緯があります。(この経験は、採用されなくてもお客様に訳例を提案することを今後もためらわずに続けよう、という励みにもなりました。)この補正案に沿った補正を含む応答をしてくれれば(新たな引例が見つからなければ)許可通知を出せると思う、と審査官が言い、面談に参加していた発明者様も知財部の担当者様も、「クレームを実質的に限定するようなものではないため同意できそうだが、知財部の部長の了承が必要」とのことだったので、その場では応答方針について結論が出ませんでしたが、結果的には許可通知につながる面談となりました。

その後、お客様(知財部の部長)の了承も得られたため、私が再度応答書を作成し、凄腕先生と知財部担当者様と発明者様と米国代理人とによるチェックを経て(今回も修正なし!)応答がなされ、無事に許可通知が発行されました。

最後に

以上、願望/妄想日記でした。いやぁ、いつかこんな日がくるといいなぁ、と思いながら書くのは楽しかったです。最後までお読みいただきありがとうございました。それにしてもこのブログ、知財系 Advent Calendarのおかげで年間更新回数ゼロを免れていますね(汗)。

引き続き 知財系 Advent Calendar 2023 - Adventar知財系 もっと Advent Calendar 2023 - Adventarも楽しみながら素敵なクリスマスシーズンをお過ごしください。

 

参考サイト:

713-Interviews

Interview Practice | USPTO